トライアスロンは、スイム、バイク、ランを続けて行う競技ですが、意外なことに戦略も必要です。
プロやオリンピックに出場する選手たちのレースを見ていると、スイムやバイクで独走態勢に入っても、ランで抜かれて優勝どころか入賞できないこともあります。
選手の動きをよく見ていると、集団から抜け出した選手を追う人と、先に行かせてそのまま自分のペースを維持する人など様々です。
大会に出場した方は経験があると思いますが、途中までは誰にも抜かれずペースも順調だったのに、後続のペースアップに付いていけなかったと言う事もあります。
マラソンなどでも同じですが、レースでのペース運びをうまく考えることは、いいポジションを狙うと言う事でもあります。
では、どのようなポジションを狙えば、自分の目標とする結果を残せるのでしょうか?
実際の大会での目標とするポジションをスタンダードを例に考えながら、解説して行きます。
スイムでの目標ポジション
スイムでは一斉スタートが一般的ですが、それ故に先頭争いは、し烈を極めます。
数百人が一斉にスタートを切るため、スタート数分前から陣取りが始まり先頭に並んでいるのは、上位狙いの人ばかりと言う状況です。
よほどスイムで上位に行ける実力と、バトルに巻き込まれても大丈夫な自信があれば、この辺りに並んでも構いませんが、自信が無い場合は一歩下がることです。
スタートの合図と同時に、自信のある人や実力のある人はロケットスタートします。
その後は、先頭集団のバトルに巻き込まれないように、少し間を開けてスタートしますが、泳ぎに自信はあるがバトルに巻き込まれるのが嫌な場合は、このポジションを狙うといいでしょう。
更にその後方になると、タイムは考えず安全に完泳することを目的としたポジションになります。
このように、自分の実力や自信を考えて、ポジション取りをするといいでしょう。
因みに、最後方でスタートすると周回コースの場合は、先頭集団に邪魔者扱いされますのでご注意ください。
バイクでの心構え
バイクでは、初めはスイムで疲れた体を、バイクに乗りながら休めるようにするといいでしょう。
息も上がっているような状態ですので、呼吸を整えながら冷静に自分の現在の順位を確かめるようにし、戦略を練ります。
戦略を練るためには、現在の想定順位、体力、筋肉の疲労度、などからどの程度の順位を上げれるのかを考えます。
バイクは周回コースなら、何となく自分の順位の見当が付きますが、違うところがゴールと言う場合は見当が付けられないこともあります。
スイムの最中に見た程度の情報のみで、見当をつけることになります。
また、自分と周りのペース差から、何人ぐらいなら抜いても体力に影響がない、上位に行くには何人抜かなければいけないということを判断することが必要です。
ただ、焦るばかりで自分の体力の限界に挑戦するほどの、無理なペースアップは途中でパフォーマンスの低下を招くので、止めておいた方が無難です。
トライアスロンは、バイクで終わりではないのですから。
ランは余力を考える
ランまで行くと、速い人はもうゴールに近づいていることが多く、現在のタイムから検討を付けることが可能です。
ラン開始の時点で2時間ほど経過している場合は、もう先頭の人はゴールする可能性が高いでしょう。
ここから追い抜いて先頭に立つのは無理ですので、どの順位を狙うかを考えます。
因みにプロやエキスパートの選手たちは、1時間半ほどでランに移行しますので、ゴール予想は2時間ちょっとと言う事になります。
スイムゴールが15分~20分、バイクゴールが1時間半ほど、トータルゴールが2時間~2時間ちょっとということになります。
上位を狙うレベルでは、トータルで2時間半ほどまでとなりますが、これでもコースによっては数十位になることもあります。
2時間半~3時間が半分より上の順位、3時間程度が平均的なタイムとなり、自分の実力でどのポジションを狙うかを決めることになるでしょう。
ランも5キロまでは、80%程度の力で走り、終わりが近づくにつれ90%、ラスト1キロで100%とするとゴールでmaxと言うシナリオが作れます。
最後の100mでもしかすると、同じぐらいのタイムの選手同士との競り合いになる場合もありますが、どこまで頑張れるかは自分の今までの練習次第と言う事になります。
後悔しないようにすべてを出し切るようにするといいでしょう。
ただし、途中で頭痛や意識が遠のくなどと言った症状が出た場合は、危険ですのでペースを落とすなどして無理をしないことです。
倒れるだけならいいのですが、場合によっては心停止などもありえますので注意が必要です。
これも自分の持っている実力が、把握できていないと判断できませんので、日ごろから自分の限界を知っておくようにするといいでしょう。