トライアスロンは過酷なスポーツ、ということで一般的に認識されています。
実際に大会に出てみると、そのハードさと、皆の本気度に圧倒され気遅れすることも多々あります。
スイムでもそんな選手たちに一生懸命付いていこうとし、自分のペースを乱されてしまうこともよく聞く話ですが、結果的にリタイアすることにもなってしまいます。
トライアスロンでは、リタイアするのも勇気がある行為として認められていますし、恥かしいことではありません。
むしろ、無理をしてスイム途中で意識が無くなってしまい、回りの方々に迷惑を掛けてしまう事の方が恥ずかしいと思います。
よく、自分の限界まで挑む、という言葉を聞きますが、人のやっかいになるほど頑張ることは美徳ではありません。
自分で限界を感じたら、競技をリタイアすることもスポーツマンとしては必要なことです。
では、リタイアする場合は具体的にどのようにすればいいのか、以下に解説していきます。
リタイアする原因となり得ること
以下のような原因で、結果的にリタイアすることになる可能性がありますのでよく注意して、被害を被らないようにしましょう。
バトルに巻き込まれ怪我をする
トライアスロンの名物とも言える行為ですが、数十人が一塊の集団になって泳ぐことになります。
その集団の中では、どうしても密集してしまうため、腕や足が当たってしまうことがあります。
ちょっと頭を腕がかすった程度なら問題は無いでしょうが、場合によってはまともに食らうことがあります。
泳ぎ方はほぼクロールですので、手のひらや腕が当たるのは後頭部ということになり、強く当たると脳震盪のような状態になることも考えられますので気をつけましょう。
筋肉の攣り
よくあるケースですが、一生懸命腕を動かすあまり、腕が攣ることがあります。
場合によっては足だったり、わき腹だったりということもあり、どうしても治らないということも考えられます。
特に天気が悪く、水温が低い場合このような状態になりやすいので、注意が必要でしょう。
気持ち的に続行不可能
よく言われる、気持ちが折れた、と言う状態になりますが、スイムで1.5キロ泳ぐのはなかなか大変です。
気持ち的にもう泳げない、ということにもなりがちで、こうなってしまうともう気力がなくなってしまいます。
周りに圧倒されることでも、練習量が足りないと感じている場合でも同じような状態に陥ることが考えられるでしょう。
なお、このように精神的に無理だと感じたら、一度休んで気持ちを落ち着けるようにするといいでしょう。
どのスポーツでもそうですが、自分で負けたと思ったら、もう終わりです。
具体的なリタイア方法
もう競技続行が不可能となった場合には、近くに居る監視員にその旨伝えましょう。
監視員が遠い場合には、ブイに掴まったり、背浮きや立ち泳ぎで待機し、監視員が来た際に手を上げて伝えるなどします。
私が始めて出場した際にも、寒すぎて腕が攣ってしまいリタイアしましたが、タイムは計測されないが、競技は続行しても良いということで選手が皆上がった後でリスタートしました。
大会によっては、このようなケースも認められますので確認すると良いでしょう。
急病の場合
トライアスロン大会では、毎年何人かは競技中に亡くなっています。
持病があるということも考えられますが、予期せず、泳いでいる最中に気分が悪くなったりすることも考えられるでしょう。
大会前から風邪をひいていたり、仕事が忙しく残業続きだったり、最近調子が悪いと感じていたりといろいろな原因が考えられます。
スイムをしている最中に、何かおかしい、普段と違う感覚がある、と感じた場合には大事を取ってリタイアすることをお勧めします。
人間は水の中では酸素が取り込めないため、意識を失えばどうなるかは想像に容易いでしょう。
せっかく練習をしてきたのに、という気持ちも分かりますが、死んでしまっては来年のチャンスも無くなりますので、無理せず潔くリタイアべきだと思います。