トライアスロンは、スイム、バイク、ランの順に行われますが、スタートからゴールまで長時間競技することになります。
プロやオリンピック選手でも1時間弱、一般大会の速い人でも2時間前半、通常では3時間、初心者だと4時間弱というように長い時間が必要になります。
それに屋外で行われるトライアスロン大会の殆どは、水温の関係で暖かい時期に行われますので、汗を大量にかくことになります。
日常生活でも、水分補給もこまめにしなければいけない時期ですが、スポーツということで、より補給のタイミングを考え、かつ頻繁に行うことが必要です。
では、水分補給はどのタイミングで行うのが、効率的なのか考えてみたいと思います。
水分不足で起こること
まず、水分不足によって引き起こされる症状を、考えてみたいと思います。
ご存知の通り、人間の体には多くの水分が含まれています。
この水分が、発汗や嘔吐下痢などによる脱水が起こり、少なくなるにつれ血液中の水分も減少して行きます。
まずは血液がドロドロになり、流れが滞り気味になってきます。
次に、血が流れにくくなることで滞留しやすくなり、所々に集まりやすくなり、いわゆる血栓が出来てきます。
さらに水分が少なくなると、血栓が増大し、血液によって血管を通って徐々に流れていきます。
この血栓が、肺や脳などに到達することにより、血が供給されない状態になり、心停止を引き起こしたり、意識を失ったり、場合によってはそのまま意識が戻らないということも。
これがよく言われる水分不足で起こる一番怖い症状です。
他にはよく知られた、水分による放熱が行われなくなる熱中症があり、体温がどんどん上昇してしまう症状です。
これも最悪の場合は、亡くなることがあるので注意が必要です。
水分補給できるタイミング
競技中で水分補給できるパートとしては、バイクとランになります。
当然、スイムの最中には水分補給することは難しいので、除外します。
バイクではドリンクホルダを付けている選手が多くいますが、補給し放題といったところです。
スイムが終わりトランジットする段階では、すでに汗をかき始めておりバイクに乗り、安定したところで水分補給となります。
バイクは、動いているため汗を大量にかきますが、スピードが出ていることで風により放熱が促進され、結果として体温の上昇が抑えられます。
一番体温が上がりにくく、熱中症などになりにくい状況と言えます。
当然、バイクで水分補給をきちんとしておくと、その後のランでもパフォーマンスを維持できるようになります。
さて、ランに移行してからは、スピードが落ちることにより放熱効率も落ちます。
それに夏であれば、地面からの照り返しと太陽からの直射日光により、さらに体温が上がりやすくなり発汗がさらに促進されることになります。
既に、水分は不足気味になっている状態ですので、給水所ごとに水分補給と、スポンジに含まれた水を体に掛け冷やすことが望ましいでしょう。
よく昔は、水分補給するとバテる、と言われました。
確かに発汗によるミネラル不足も起こりやすくなりますが、水分不足が引き起こす症状の方が重篤な状態になりやすいので、水分はきちんと取れるところで取りましょう。