トライアスロンと腰痛について、関係性が無いと思われるでしょうが、実際に腰痛に悩んでいるアスリートも多くいるのが実情です。
よくマラソン選手などが腰痛で悩まされるという話を耳にしますが、実は水泳でも自転車でも腰痛を引き起こす要因がいくつかあります。
今回は、どの種目のどのような動きが腰痛を引き起こすのか、などを考えていきたいと思います。
腰痛に悩んで、まともに練習が出来ない方の手助けになればと思っています。
スイムでの腰痛
トライアスロンのスイムは、クロールがメインになります。
一般的にプールで泳いでいる場合は、コースが分けられているためまっすぐ進む事が出来ますが、海や湖での大会の場合はコース分けされていません。
海や湖で泳ぐことをオープンウォーターと言いますが、コース分けはしていませんのでどこを進んでもいいことになります。
しかし、目印の浮きが置いてある程度で、まっすぐに進むためには、時々前方を見ながら泳ぐ必要があります。
この時、クロールでの息継ぎは、普通では横方向ですが、時々前方を見るために顔を前に出す必要があり、息継ぎもその瞬間に行うことになります。
この時の姿勢は、まっすぐではなく、後ろにのけぞるような形になっているので、腰に負担が掛かり腰痛となって現れることがあります。
プールで泳ぐときには、前を見る必要があまりないので、姿勢もまっすぐです。
このような姿勢の違いがあり、トライアスロンでは腰痛は起きやすい傾向にあります。
バイクでの腰痛
バイクは、足の筋肉のみでペダルを漕げば走れると考えると思いますが、実は臀筋(おしり)、腰筋、背筋を連動して使う必要があります。
ママチャリではなく、スポーツ要素が多いバイクになればなるほど、使う筋肉が多くなり、連動させる必要性が出てきます。
特に、坂道を登るときに体感しやすく、足の筋肉だけでは登れないことが分かるでしょう。
ロードレーサーに乗り、シートに座った状態、つまりシッティングでバイクを漕ぐと、登り坂にさしかかった際に、臀部から背筋まで筋が張るような感覚になることがあります。
これが連動しているということを実感できる時で、登坂練習をした次の日には、腰痛になることがあります。
知らないうちに負荷を掛けていることになるので、無理をしないことが重要になります。
それに腰痛になると言う事は、筋にも負担が掛かっていることになりますので、筋を痛めることにもなります。
負荷のかかる激坂の練習は、様子を見ながらほどほどに。
ランでの腰痛
一番腰痛を引き起こす要因が多い種目になりますが、走りすぎによることが一番要因として考えられます。
タイムを縮めたい一心で、たくさん走ってしまうことになり、結果として疲労が溜まり故障してしまうことになります。
それにランニングは、強度を上げたり、練習量を増やすと腰痛を引き起こしやすくなるので、注意が必要です。
一例になりますが、ストライド走法では腰を捻る動作が大きくなり、想像以上に腰椎に掛かる負荷が増えます。
持久力を上げるために、毎日走ることで疲労が溜まり、腰に疲れを感じるようになります。
休みを取らないことで、この状態が改善されず、疲労骨折やヘルニアなどの症状を引き起こすことも考えられます。
人間は二足歩行になった時から、腰痛になることが宿命となったと、聞いたことがありますが、それぐらい人間と腰痛は切り離せないものです。
ある意味仕方のないこととは言え、出来ることなら腰痛にはなりたくありません。
きちんとストレッチをし、準備運動で体を温めてから、ランニング練習をすると予防できると思います。
それでも腰に違和感を覚えた場合には、練習強度を下げたり、場合によっては練習を中止することも必要になります。
無理しないことも練習ですので、自制心を持って頑張ってください。